COPへの影響 crystalloid vs colloid : Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2022 Aug 3;35(3):ivac127.

Effects of crystalloid and colloid priming strategies for cardiopulmonary bypass on colloid oncotic pressure and haemostasis: a meta-analysis

Anne Maria Beukers, et al.

Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2022 Aug 3;35(3):ivac127.

 

要旨

包括的なメタアナリシスにおいて、この研究は、心臓手術中のコロイド膠質圧(COP)の影響、特に異なる心肺バイパス(CPB)プライミング液(晶質液とコロイド液)がどのように影響するかを調査している。この研究では、これらの輸液と逆行性自己プライミング(RAP)の組み合わせがCOPにどのような影響を与えるかを分析した。1582件の記録から29件の適格な研究が同定された。この研究では、晶質液とコロイドの間でCOPに有意差は認められなかった。体液バランスはヒドロキシエチルデンプン(HES)の方が晶析液より低いが、RAPは晶析液のみを使用する場合より輸血の必要性を低下させた。この研究は、現在の文献に基づくと、CPBを用いた心臓手術において、晶質液、コロイド、RAPのいずれを用いても、COPを維持するための最適なプライミング輸液戦略は存在しないと結論づけた。

既存の研究との関連性

この研究は、心臓手術におけるさまざまなプライミング液の使用に関する現在進行中の議論に深みを与えるものである。この論文は、手術中の血液希釈においてCOPが果たす重要な役割と、改訂Starling方程式におけるその重要性に触れている。先行研究では、COPが低いことの意味(組織浮腫や入院期間の延長などの問題)を概説しているが、今回のメタアナリシスでは、使用するプライミング液の種類によるCOPの差がないことを考えると、この知見は特に重要である。

さらにこの論文では、いくつかの既往の知見を確認する一方で、他の知見にニュアンスを加えている。例えば、RAPが赤血球輸血の必要性を減少させることはすでに文献で立証されていたが、今回の研究ではさらに、RAPの効果は晶質液と併用した場合に特に強力であることが明らかになった。

Abstract

目的
コロイド膠質圧(COP)は心臓手術において重要な因子であり、その役割は血液希釈にある。心肺バイパスのプライミング液がCOPに及ぼす影響は不明である。本研究では、心臓手術中のCOPに対する晶質液およびコロイド液の影響について、RAPの有無にかかわらず評価した。

方法
晶質液とコロイドのプライミング液またはRAPを比較した無作為化対照試験および前向き臨床試験を選択した。主要転帰はCOPとし、副次的転帰は体液バランス、必要水分量、体重増加、出血量、血小板数、輸血必要量とした。

結果
1582件の記録から、29件の適格な研究が同定された。COPはバイパス中のgelofushineとHESの間で同等であり[平均差(MD):0.69;95%信頼区間(CI):-2.05、3.43;P = 0.621]、バイパス後(MD:-0.11;95%CI:-2.54、2.32;P = 0.930)、術後(MD:-0.61;95%CI:-1.60、0.38;P = 0.228)であった。体液バランスはHESの方が晶質輸液よりも低かった。RAPは晶析液と比較して輸血必要量を減少させた。出血量は群間で同等であった。

結論
COPは晶質液とコロイドの間で差はなかった。毛細血管を介した体液移動が増加した結果、体液バランスはHESの方が晶析液よりも低下した。ヘマトクリット値と輸血必要量は群間で同等であった。しかし、RAPを晶質液のプライミングに使用した場合は、晶質液のみの場合と比較して輸血量は少なかった。最後に、出血量に群間差は認められなかった。

主要関連論文

  1. Starling EH. On the Absorption of Fluids from the Connective Tissue Spaces. J Physiol. 1896; This paper introduced the Starling principle, which forms the foundational understanding of fluid movement across capillaries.

  2. Jansen, Te Velthuis. This research, as mentioned in the study, highlighted the implications of low COP during cardiac surgery.

  3. Literature on RAP: 2017 EACTS/EACTA Guidelines on patient blood management for adult cardiac surgery: This would offer insights into the earlier understanding of RAP’s effects on transfusion requirements.

  4. Ghijselings, Himpe. Safety of gelatin solutions for the priming of cardiopulmonary bypass in cardiac surgery: a systematic review and meta-analysis. Perfusion 2017;32:350–62. : A meta-analysis that compared the effects of HES and gelatine fluids and informed the discussion in the present paper.

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