Ischemic MRへのMVPは周術期リスクを下げるが再発が多い:Medicine (Baltimore). 2018 Aug;97 (31):11546.

Repair or replacement for severe ischemic mitral regurgitation: A meta-analysis

Xinxin Wang, et al.

Medicine (Baltimore). 2018 Aug;97 (31):11546.

要旨

この論文は、重症虚血性僧帽弁閉鎖不全症(IMR)治療における僧帽弁形成術(MVP)と僧帽弁置換術(MVR)の臨床転帰を比較したメタアナリシスである。この研究は、1,993人の患者を含む13の先行研究を分析したものである。その結果、MVPはMVRに比べて周術期死亡率が低いことが示された。しかし、MVPは僧帽弁閉鎖不全症の再発率も高い。長期生存率や再手術率については、両手法間に有意差は認められなかった。

既存研究との関連
これまでのメタアナリシスではより重症度の低い患者を対象としていたため、本論文は重症のIMRに特化することで文献のギャップを埋めた。僧帽弁形成術が変性性僧帽弁疾患に対して優れていることはよく知られているが、重症IMRに対する置換術に対するその利点は不明確なままであった。この研究は、MVPが周術期死亡率の点で有利であることを確認するものであるが、同時に僧帽弁閉鎖不全症の再発が多いという限界も強調している。

Abstract

背景
重症の虚血性僧帽弁閉鎖不全症(IMR)に対する最良の外科的選択肢はまだ議論の余地がある。本研究の目的は、僧帽弁形成術(MVP)と置換術(MVR)の臨床転帰を比較するメタ解析を行うことである。

方法
PubMed、Embase、Medlineにおいて、タイトル/抄録欄に “虚血性僧帽弁閉鎖不全症”、”修復術または環状形成術または再建術”、”置換術 “という用語を用いて文献検索を行った。主要アウトカムは周術期死亡率と長期生存率であった。副次的転帰は僧帽弁閉鎖不全症(MR)の再発と再手術であった。

結果:
276件の研究のうち、13件が除外基準に合致した。これらの研究には合計1993例の患者が組み入れられ、1259例(63%)が修復例、734例(37%)が置換例であった。周術期死亡率はMVRと比較してMVPで低かった[OR 0.61; (95% CI, 0.43-0.87; P < 0.05)]。長期生存率[HR 0.75;(95%CI、0.52-1.09;P = 0.14)]と再手術[OR 0.77;(95%CI、0.38-1.57;P = 0.47)]に関しては差がなかった。MVPはより高いMRの再発と関連する[OR = 4.09; (95% CI, 1.82-9.19; P < 0.001)]。

結論
MVPは、重症IMRに対するMVRと比較して、周術期死亡率は低いが、MRの再発は高い。長期生存率と再手術に関しては差は認められなかった。

主要関連論文

  1. Lillehei et al, “Preservation of the Posterior Subvalvular Apparatus for Mitral Valve Replacement” (1964) – Introduced the concept of subvalvular apparatus preservation.
  2. Wang and colleagues – Previous meta-analysis comparing repair and replacement, albeit with fewer studies focusing on severe IMR.
  3. Adams, D. H., et al. (2014) “Randomized trial of mitral-valve repair versus replacement for moderate ischemic mitral regurgitation.” The New England Journal of Medicine.
  4. Gillinov, A. M., et al. (2016) “Repair versus replacement for degenerative mitral valve disease.” The Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery.

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