HFrEF+ Af患者ではHRを落とすべき:Heart Vessels. 2020 Aug;35(8):1109-1115.

Prognostic significance of resting heart rate in atrial fibrillation patients with heart failure with reduced ejection fraction

Sho Suzuki, et al.

Heart Vessels. 2020 Aug;35(8):1109-1115.

 

要旨

研究論文の目的は、駆出率が低下した心不全(HFrEF)を有する心房細動(AF)患者における安静時心拍数(HR)の予後的意義を検討することである。2014年から2018年にかけて前向き多施設コホート研究として実施され、HFrEFを有するAF患者144例が登録された。主な知見は、安静時HRが高い(81bpm以上)ことは、さまざまな交絡因子を調整した後でも、これらの患者における全死亡リスクの有意な上昇と関連するというものであった。

既存の研究との関連
HFrEFを有する心房細動患者における至適心拍数に関する具体的な推奨が欠如している。いくつかの先行研究では、心房細動患者におけるHRと死亡率の間に相関がないことが示されているが、Liらの研究やAFFIRM研究およびRACE研究からプールされたデータのように、HRが高いと死亡率が低下することが示唆されているものもある。本研究は、HFrEFを有する心房細動患者における高い安静時HRと有害な転帰との関係をさらに補強し、治療戦略としてより的を絞ったHRを提案するものである。

Abstract

駆出率が低下した心不全(HFrEF)を有する心房細動(AF)患者における安静時心拍数(HR)の予後的意義は不明であり、現在のガイドラインにはHF患者における至適HRに関する推奨はない。そこでわれわれは、HFrEFを有する心房細動患者における安静時HRと死亡率の関係を明らかにすることを目的とした。2014年7月から2018年12月にかけて、前向き多施設コホート研究を実施した。HFrEFを有するAF患者144例(平均年齢75歳、女性34%)を連続登録した。主要評価項目は全死亡とした。高HR群(HR>81拍/分[bpm]、HR≧67%の四分位範囲[IQR]、n=50)と低HR群(HR≦81bpm、HR<67%のIQR、n=94)の転帰を比較した。追跡期間中央値538日の間に、主要エンドポイントは41例(28.5%)で発生した。Kaplan-Meier解析では、高HRは死亡リスクの漸増と関連していた(log-rank検定、p = 0.034)。多変量Cox回帰分析では、年齢、性別、ヘモグロビン、推定糸球体濾過量、LVEF、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、β遮断薬、ジゴキシン、アミオダロン、カルシウム拮抗薬の使用で調整した後、高HRは全死亡を予測した(ハザード比、1.979;95%信頼区間、1.005-3.898;p = 0.048)。HFrEFを有する心房細動患者では、退院時の安静時HRが81bpmを超えると、HR≦81bpmと比較して死亡リスクが有意に高くなった。

主要関連論文

  1. “AFFIRM (Atrial Fibrillation Follow-up Investigation of Rhythm Management) Study” – A seminal study exploring outcomes in AF patients.

  2. “RACE (Rate Control vs. Electrical Cardioversion) Study” – Investigates rate control strategies in AF patients.

  3. Li et al., “The Association Between Elevated Heart Rate and Mortality in Patients with HFrEF” – Directly relevant as it also studies the HR-mortality relationship but in a different cohort.

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