A Prospective, Randomized Clinical Trial of Hemodynamic Support With Impella 2.5 Versus Intra-Aortic Balloon Pump in Patients Undergoing High-Risk Percutaneous Coronary Intervention The PROTECT II Study
要旨
PROTECT II試験は、緊急性のない経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた、複雑な冠動脈疾患を有し左室機能が高度に低下した症候性患者452人を対象に、大動脈内バルーンポンプ(IABP)とImpella 2.5の2種類の血行動態補助装置を比較した。その結果、Impella 2.5が優れた血行動態支持を示したものの、主要エンドポイントである30日主要有害事象については両群間に有意差は認められなかった。しかし、90日目にはImpella 2.5による転帰の改善傾向が認められ、プロトコールごとの解析では有意な改善がみられた。
妥当性
この試験は、高リスクPCIと複雑冠動脈疾患患者における血行動態補助装置の有用性についての重要な洞察に貢献するものである。この試験はPCIが高リスク患者に対する妥当な血行再建戦略であることを支持し、今後の研究では最低90日間の追跡が必要であることを示唆している。BCIS-1試験のような以前の研究と比較して、PROTECT IIは高リスク患者におけるPCIの安全性と有効性をより包括的に理解し、Impella 2.5のようなデバイスの使用に伴う学習曲線を強調している。
Abstract
背景
重症で複雑な多枝病変や左冠動脈主幹部病変を有する症候性の患者では、一般に冠動脈バイパス術が望ましいが、臨床的に冠動脈バイパス術を好ましくない臨床的特徴を有する患者もいる。このような患者には血行動態の補助を伴う経皮的冠動脈インターベンションが可能かもしれない。現在のところ,この適応に対する血行動態補助装置の系統的な比較評価は行われていない。
方法と結果
複雑3枝病変または非保護左冠動脈主幹部病変を有し、左室機能が高度に低下した症候性患者452例を、緊急性のない高リスク経皮的冠動脈インターベンション中に大動脈内バルーンポンプ(IABP)(n=226)またはImpella 2.5(n=226)支持に無作為に割り付けた。主要エンドポイントは30日間の主要有害事象発生率であった。プロトコールにより90日間の追跡も必要とされた。IABPと比較してImpella 2.5は優れた血行動態支持を示し、ベースラインからの最大心拍出量の減少は-0.04±0.24Wであったのに対し、IABPでは-0.14±0.27Wであった(P=0.001)。主要エンドポイント(30日間の主要有害事象)は群間で統計学的な差はなかった:intent-to-treat集団ではImpella 2.5群35.1%対IABP群40.1%、P=0.227、per-protocol集団では34.3%対42.2%、P=0.092。90日後では、IABPと比較してImpella 2.5支持患者で主要有害事象が減少する強い傾向が観察された:それぞれ、intent-to-treat集団では40.6%対49.3%、P=0.066、per protocol集団では40.0%対51.0%、P=0.023。
結論
主要有害事象の30日発生率はIABPまたはImpella 2.5の血行動態支持を受けた患者で差がなかった。しかし、90日後の転帰はImpella 2.5支持群で改善する傾向がみられた。
主要関連論文
- BCIS-1 Study: This paper represents a key reference in the field of hemodynamic support for high-risk PCI, providing insights into the use of IABP.
- STICH Trial: Surgical Treatment for Ischemic Heart Failure Study, a milestone in understanding the treatment of ischemic heart failure and related mortality rates.
- SHOCK Trial: Should We Emergently Revascularize Occluded Coronaries for Cardiogenic Shock trial, essential for understanding PCI in severely compromised patients.
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