5年間の長期予後 from PREVAIL Trial and PROTECT AF Trial

5-Year Outcomes After Left Atrial Appendage Closure: From the PREVAIL and PROTECT AF Trials.

Reddy VY, Doshi SK, Kar S, et al.

J. Am Coll Cardiol. 2017 Dec 19;70(24):2964-75.

要旨

WATCHMANについて利用可能なデータのメタ解析から、5年間の結果が米国心臓病学会誌(JACC)に報告されました。この報告は、PROTECT AF試験とPREVAIL試験の5年間の結果を組み合わせたものであり、 WATCHMANを用いた左心耳閉鎖(LAAC:Left Atrial Appendage Closure)が、長期間の抗凝固薬の服用ができない非弁膜症性心房細動(NVAF)患者の脳卒中リスクを低減することを実証しました。

この試験では、Watchmanデバイスを用いた左心耳閉鎖(LAAC)とワーファリンを比較し、心房細動における脳卒中予防効果を評価しました。研究結果は、WatchmanによるLAACがワーファリンと同等の脳卒中予防効果を提供する一方、大量出血、特に出血性脳卒中および死亡率を低下させることを示しています。このことから本研究は、LAACを口腔抗凝固療法の代替手段として支持する証拠に加わります。

Abstract

背景
PROTECT AF試験(WATCHMAN左心耳閉鎖システムによる心房細動患者の塞栓保護)は、Watchmanデバイスによる左心耳閉鎖(LAAC)が心房細動における脳卒中予防においてワーファリンと同等であることを示しましたが、合併症の発生率が高かったです。第2の無作為化試験であるPREVAIL試験(心房細動患者におけるWATCHMAN(LAA閉鎖デバイス)のワーファリン療法との比較評価)では、合併症の発生率は低かったです。ワーファリン群では予想外に低い虚血性脳卒中発生率が観察され、効果の評価結果は一定ではありませんでした。ただし、これらの結果は比較的短期間の追跡を行った比較的少数の患者に基づいています。

目的
PREVAIL試験の最終結果を、PREVAIL試験単独およびPROTECT AF試験との患者レベルのメタ分析として、両試験の患者を5年間追跡した結果として報告します。

方法
PREVAILおよびPROTECT AFは前向きの無作為化比較試験であり、患者はLAACまたはワーファリンに2:1で無作為に割り付けられました。合計で1,114人の患者が4,343人年にわたって登録されました。解析は意図治療分析であり、イベント率は100人年あたりの発生数です。

結果
PREVAIL試験では、脳卒中、全身性塞栓症(SE)、心血管/原因不明の死亡の最初の主要複合エンドポイントは非劣勢を達成しませんでした(非劣勢の事後確率は88.4%)、一方、2番目の主要複合エンドポイントである術後虚血性脳卒中/SEは非劣勢を達成しました(非劣勢の事後確率は97.5%);ワーファリン群では異常に低い虚血性脳卒中発生率(0.73%)が維持されました。メタ分析では、両群間で複合エンドポイントが類似していました(ハザード比[HR]:0.820、p = 0.27)、脳卒中/SE全て(HR:0.961、p = 0.87)も同様でした。LAACによる虚血性脳卒中/SEの発生率は数値的に高かったものの、統計的有意性には達しませんでした(HR:1.71、p = 0.080)。しかし、出血性脳卒中、障害性/致命的脳卒中、心血管/原因不明の死亡、全因死亡、および術後出血において、LAACが有利でした(HR:0.20、p = 0.0022;HR:0.45、p = 0.03;HR:0.59、p = 0.027;HR:0.73、p = 0.035;HR:0.48、p = 0.0003)。

結論
PREVAIL試験の5年間の結果とPROTECT AF試験の5年間の結果を合わせると、Watchmanデバイスを用いたLAACはワーファリンと同等の非弁膜性心房細動における脳卒中予防効果を提供し、出血性脳卒中および死亡率の低下などの追加の利点があります。

主要関連論文

  1. Holmes DR Jr, Reddy VY, Turi ZG, et al. Percutaneous closure of the left atrial appendage versus warfarin therapy for prevention of stroke in patients with atrial fibrillation: a randomised non-inferiority trial. Lancet. 2009;374(9689):534-542.
  2. Reddy VY, Doshi SK, Kar S, et al. 5-Year Outcomes After Left Atrial Appendage Closure: From the PREVAIL and PROTECT AF Trials. J Am Coll Cardiol. 2017;70(24):2964-2975.
  3. Reddy VY, Sievert H, Halperin J, et al. Percutaneous left atrial appendage closure vs warfarin for atrial fibrillation: a randomized clinical trial. JAMA. 2014;312(19):1988-1998.

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