Colloid Oncotic Pressure, Monitoring its Effects in Cardiac Surgery
Jeffrey B Chores, et al.
J Extra Corpor Technol. 2017 Dec;49(4):249-256.
要旨
この研究は、心肺バイパス術中および術後のコロイド膠質圧(COP)と患者のさまざまな転帰との関係に焦点を当てたものである。平均年齢70歳の61人の成人患者を対象としたこの研究は、患者の罹患率を低下させるCOPの安全な閾値を特定することを目的とした。手術のさまざまな段階で血液サンプルが採取され、COPが分析された。その結果、COPと体液バランス、術後の体重増加、入院期間などのパラメータとの間に有意な関係があることが判明した。COP値は15mmHgが合併症を避けるための望ましい閾値であることが示唆された。この研究は、より良い臨床的意思決定のためにCOPをモニタリングすることの重要性を強調している。
既存の研究との関連性
浮腫形成を含む血液希釈とその副作用は、周術期の診療において確立された懸念事項である。この論文は、転帰の予測におけるCOPの重要な役割をさらに強調している。過度の血液希釈、浮腫、および患者の死亡率の間に相関関係があることを示した先行研究の知見に基づいている。本研究で明らかにされたCOPの閾値は、COPが15mmHg以下になったときに浮腫に気づいたKerkoffの所見と一致している。この論文は、COPレベルと術後のさまざまな転帰との間に明確な相関関係を確立することで、現在の理解を深めるものである。この研究の結論は、体液バランスを注意深く管理し、COPのようなパラメーターをモニターすることで、手術中の患者の転帰を向上させることができるという、より広範な説を支持するものである。
COP = (4.0814 X A/G X TP) /(A/G + 0.0153 × TP)
※TP = total protein, A/G = albumin/globulin ratios
Abstract
血液希釈は周術期によく行われる行為である。過度の血液希釈とそれに続く浮腫形成の有害な影響は、多くの著者によってよく報告されている。コロイド膠質圧(COP)は心臓手術における血液希釈の信頼できる臨床指標である。この研究の目的は、COPと種々の患者転帰変数との間に相関関係が存在するかどうかを明らかにすることである。また、患者の罹患を予防または制限するための特定のCOP値が存在するかどうかを知ることも有用であろう。心肺バイパス手術を受けた61人の成人患者(平均年齢=70歳)から、COPの算出と比較のために血液サンプルを採取した。検体採取は、ヘパリン投与前、心肺バイパス中、心肺バイパス終了時、集中治療室で行った。その結果得られた値を用いてCOPを算出した。次に、持続COPの最低値を、体液バランス、術後体重増加、術後出血、抜管時間、入院期間、血液製剤投与などのさまざまな患者転帰変数と比較した。COPとモニターされた各連続変数との間に統計学的に有意な差(p<0.05)が認められた。このデータはまた、患者のCOPを15mmHg以上に維持することが望ましいことを示唆している。患者のCOPを頻繁にモニタリングすることは、臨床的な意思決定に役立つ可能性がある。
主要関連論文
- On the detrimental effects of excessive hemodilution and the formation of edema and its impact on mortality rates.
- Kerkoff’s research on the COP at which edema occurs.
- Studies by Nematbakhsh and Moradi on formulas for calculating COP.
- Research exploring the differences in outcomes based on fluid therapy modalities, such as colloids vs. crystalloids.
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