AVPの転機に影響を与える因子は?:J Thorac Cardiovasc Surg. 2021 Apr 16;S0022-5223(21)00612-7.

Late results of aortic valve repair for isolated severe aortic regurgitation

Saadallah Tamer, et al.

J Thorac Cardiovasc Surg. 2021 Apr 16;S0022-5223(21)00612-7.

 

要旨

この研究論文は、独立した重症大動脈弁閉鎖不全症(AR)に対する三尖の大動脈弁(TAV)修復術の長期成績を調査したもので、様々な環状形成術の耐久性と影響に焦点を当てている。23年間にわたる127例の患者の研究から、大動脈弁(AV)修復術は安全な手技であり、14年間の耐久率は許容範囲内であることが判明した。注目すべきことに、annuloplastyの種類は修復の耐久性に影響を与えず、二尖大動脈弁修復術や大動脈弁温存手術の結果とは対照的であった。この研究は、尖弁病変の重症度が修復耐久性のより重要な決定因子であると結論付けている。

既存の研究との関連性

この研究は、大動脈弁修復、特にTAVにおける重症AR、すなわち大動脈弁修復全体の約11%を占めるニッチな治療法に関する貴重な洞察を提供するものである。この研究は、AVIATORレジストリのデータやMayo Clinicの結果と比較することにより、その背景を明らかにしている。研究間の結果の一貫性、特に生存率は、手技としてのAV修復の信頼性を補強するものである。しかし、この論文では、TAV修復術の耐久性は依然として二尖大動脈弁修復術や大動脈弁温存手術より劣っていると指摘している。時間の経過とともに術式が変化していることを考えると、この研究は治療成績を最適化するための継続的研究の必要性を強調している。

Abstract

目的
目的は、三尖の重症大動脈弁閉鎖不全症に対する大動脈修復術の長期転帰と、異なる弁輪形成術の影響を分析することであった。

研究方法
本研究コホートは、1996年から2019年の間に当施設において三尖の大動脈弁の単独重症大動脈弁逆流に対して大動脈弁修復術を受けた連続した127例からなる。除外基準は大動脈拡張(≧45mm)、結合組織疾患、活動性心内膜炎、A型解離、リウマチ性疾患とした。患者の平均年齢は55.6±16歳で、80%が男性であった。追跡期間中央値は6.4年であった。死亡、再手術、大動脈弁閉鎖不全症再発のリスクと同様に、Time-to-event解析が行われた。

結果
Cusp repairは117例(92%)に施行され、Annuloplastyは126例(99%)にCabrol stitch(73%)、reimplantation(19.7%)、ring annuloplasty(6.3%)で施行された。病院での死亡率はなかった。10年後および14年後の全生存率はそれぞれ81%±5%および71%±6%であり、再手術の自由度はそれぞれ80%±5%および73%±6%であった。年齢と左coronary のcusp repairは再手術の独立した予測因子であった。重度の大動脈弁閉鎖不全症(>2+)の再発からの解放は10年後と12年後にそれぞれ73%±5%と66%±7%であった。年齢、左室拡張末期径、パッチ修復は大動脈弁逆流再発の独立した予測因子であった。Annuloplastyの種類は生存や再手術に影響を及ぼさなかった。

結論
三尖の大動脈弁の単独の重症大動脈弁逆流に対する大動脈弁修復術は安全な手技であり、14年後の耐久性は許容できる。この研究では、二尖大動脈弁修復術や大動脈弁温存手術でみられたように、Annuloplastyの術式は修復の耐久性に影響を及ぼさなかった。カスプ病変の重症度が修復耐久性の主な決定因子のようである。

主要関連論文

  1. The AVIATOR registry on AV repair and AV-sparing surgery.
  2. Sharma et al.’s study on long-term results of AV repairs for isolated AR at the Mayo Clinic.
  3. Schäfers et al.’s guidelines on optimal conditions for repair, specifically focusing on geometric height.
  4. Bourguignon et al.’s research on the Carpentier-Edwards Perimount valve and its impact on overall survival.
  5. The Mayo Clinic’s study analyzing the late survival of patients with AV replacement for severe AR.

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