EAST-AFNET4 trial 早期のAfはリズムコントロールが有用:N Engl J Med. 2020 Oct 1;383(14):1305-1316.

Early Rhythm -Control Therapy in Patients with Atrial Fibrillation

Paulus Kirchhof, et al, EAST-AFNET4 trial investigators.

N Engl J Med. 2020 Oct 1;383(14):1305-1316.

要旨

この試験では、早期の心房細動と他の心血管系疾患を有する患者において、早期のリズムコントロール療法が心血管系リスクを減少させるかどうかが検討された。この試験は2,789例の患者を対象とした無作為多施設試験で、中央値で5.1年間追跡された。その結果、早期のリズムコントロール療法は通常の治療と比較して、心血管系の原因による死亡、脳卒中、心不全や急性冠症候群による入院などの有害心血管イベントのリスクを低下させることが示された。しかし、入院日数や安全性に関するアウトカムは両群間で有意差はみられなかった。

既存の研究との関連
この研究は、心房細動に対する早期のリズムコントロール治療の有効性、特に他の心血管系疾患が存在する場合の有効性に光を当てることによって、心血管系医学の分野を前進させるものである。これまでの試験では、確立した長期の心房細動における心拍コントロールとリズムコントロールの比較に焦点が当てられていたが、本研究では早期の心房細動患者を対象とし、心房細動アブレーションと抗不整脈薬の相乗効果を評価した。その結果、通常の治療と比較して早期のリズムコントロールがこれらの患者にとってより有益であることが示唆され、臨床的な意思決定に重要な示唆を与えた。

Abstract

背景
心房細動の管理が改善されたにもかかわらず、心房細動患者は依然として心血管系合併症のリスクが高い。早期のリズムコントロール治療がこのリスクを減少させることができるかどうかは不明である。

方法
この国際共同、医師主導、並行群間、オープン、盲検アウトカム評価試験において、早期心房細動(登録の1年前までに診断された)と心血管疾患を有する患者を早期リズムコントロール群と通常治療群に無作為に割り付けた。早期リズムコントロールには無作為化後の抗不整脈薬による治療や心房細動アブレーションが含まれた。通常の治療ではリズムコントロールは心房細動に関連した症状の管理に限定された。第一の主要アウトカムは心血管系の原因による死亡、脳卒中、心不全または急性冠症候群の悪化による入院の複合で、第二の主要アウトカムは年間入院日数であった。安全性の主要アウトカムは死亡、脳卒中、リズムコントロール療法に関連した重篤な有害事象の複合であった。症状や左室機能などの副次的転帰も評価した。

結果
135施設で2789例の早期心房細動患者(診断後中央値36日)が無作為割付けを受けた。本試験は患者1人あたりの追跡期間中央値5.1年の後、3回目の中間解析で有効性が確認されたため中止された。早期リズムコントロール群に割り付けられた249例(100人年当たり3.9例)と通常治療群に割り付けられた316例(100人年当たり5.0例)において、第1の主要アウトカム(心血管系の原因による死亡、脳卒中、心不全または急性冠症候群の悪化による入院の複合)が発生した(ハザード比、0.79;96%信頼区間、0.66~0.94;P=0.005)。平均(±SD)入院日数は群間で有意差はなかった(それぞれ年間5.8±21.9日と5.1±15.5日;P=0.23)。主要な安全性転帰イベントが発生した患者の割合は両群間で有意差はなかった。リズムコントロール療法に関連した重篤な有害事象は早期リズムコントロール群では4.9%、通常治療群では1.4%に発生した。2年後の症状および左室機能は両群間に有意差はなかった。

結論
早期の心房細動と心血管疾患を有する患者において、早期のリズムコントロール療法は通常の治療よりも心血管系の有害転帰のリスクが低かった。

主要関連論文

  1. “A Comparison of Rate Control and Rhythm Control in Patients with Atrial Fibrillation” – This paper initially established the foundational understanding of rate versus rhythm control.
  2. “The effect of dronedarone on cardiovascular events in atrial fibrillation” – Important for its findings on the antiarrhythmic drug dronedarone.
  3. “Catheter Ablation for Atrial Fibrillation with Heart Failure” – Investigates the role of atrial fibrillation ablation, particularly in patients with heart failure.
  4. “Long-term outcomes of rate vs rhythm control in atrial fibrillation” – Provides a long-term perspective on rate vs rhythm control.

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